世界のAI市場規模 GAFA VS BATIS

AI市場規模予測

  世界のAI市場の各種先端技術の経済効果は、2025年には最大で39.3兆米ドルまで市場規模が拡大すると予測されています。

 それに対して、国内のAI市場は、2015年の3.74兆円から2030年までの15年間で86.9兆円と約23倍に拡大する予測がありますが、日本よりも世界市場の拡大ペースの方が速く、規模も圧倒的に大きいことから、日本は他国に大きく引き離されています。

  世界のAI関連企業の売上高は、2017年の147憶米ドルから2025年までの8年間で3109億米ドルと約21倍に拡大する予測されています。特に、人工知能に関する国別論文数から見ても、今後のAI市場をけん引するのはアメリカ、中国、インドといわれています。

米国のAI関連銘柄 GAFA

  GAFAとは、アルファベット(Google)、アップル(Apple)、フェースブック(Facebook)、アマゾン(Amazon)の4社のこ頭文字を取って称される。いずれも米国を代表するIT企業であり、4社は世界時価総額ランキングの上位を占めている。また、世界中の多くのユーザーが4社のサービスをプラットフォームにしており、ビッグデータを大量に保有している。

Google・・・検索エンジン世界1位

Apple・・・IT機器大手

Facebook・・・SNSサイト「Facebook」を運営

Amazon・・・ネット通販大手

 

アルファベット(グーグル)

  アルファベットは米国の大手インターネット関連企業で、検索サイト・グーグル「google.com」を運営する。また、ゲーム業界への進出もしており、クラウドぎじゅつを応用しハード本体を不要としたビジネスモデルを推し進めている。

 

アップル

 アップルは米国のIT機器大手であり、メディアデバイス、PC、スマートフォン、タブレット端末などの製造・販売に従事している。

 

フェイスブック

  世界中で20億人以上の⽉間アクティブユーザーを有する最大のソーシャルネットワーキング ウェブサイトを運営しており、写真や動画を共有できる「instagram」も提供している。また、独自の仮想通貨「リブラ」の開発を進めている。

 

アマゾン・ドット・コム

  米国最大手のオンライン小売業者。会員制「アマゾンプライム」を展開しており、クラウド・サービス「AWS」を提供しており、マイクロソフトが手掛けるクラウド「アジュール」と比較されるケースが多い。

 

中国のAI市場規模 BATISとは

 BATISとは、下記5社の頭文字を取ったものであり、中華人民共和国の国家プロジェクト「次世代AI発展計画」で指定した5大プラットフォーマーのことを意味します。2030年までにAI技術を世界トップ水準まで引き上げ、AI関連産業を10兆元超(約160兆円)の市場規模に拡大させることを目標としています。

Baidu(百度)・・・自動運転分野

Alibaba(アリババ)・・・スマートシティ

Tencent(テンセント)・・・ヘルスケア

Iflytek(アイフライテック)・・・音声認識

SenseTime(センスタイム)・・・顔認識

 

 現在、世界において米中がAIの技術覇権を争っている中、ビッグデータをどれだけ大量に蓄積できるかが今後の勝敗を分けると言っても過言ではありません。その点において、14億人の人口から得られる膨大なビッグデータが、中国のAI企業の成長を加速させます。

  さらに、政府支援による助成金などの資金面での支援や特例的な規制緩和により企業ごとに大胆な研究開発を推し進めることが可能なのです。その中でもBATISは、手厚い政府支援を受けられるという面において優位性が顕著に表れてくるものと思われます。

中国のAI関連銘柄 BATIS

百度(バイドゥ:Baidu)

 百度は、中国で最大の検索エンジンを提供する企業であり、全世界の検索エンジン市場において、Googleに次いで第2位であり、アメリカ株式市場に上場しています。。

 バイドゥの自動運転開発プロジェクト「アポロ」を基盤として自動運転と車道を連携し、グローバルで模範となる自動運転都市を目指しています。中国湖南省の長沙市人民政府および湖南湘江新区管理委員会と提携し、長沙市で自動運転タクシーを展開しています。

アリババ(Alibaba)

 アリババは、電子商取引のオンライン・マーケットを運営しており、アメリカ株式市場に上場しています。

 電子決済での国内屈指のシェアからビッグデータを活用しており、杭州市にてAIで都市を丸ごと管理統制する「都市大脳」(シティブレイン)計画で交通渋滞の解消や当局による犯罪容疑者の逮捕などにも貢献しています。

 

テンセント(Tencent)

 テンセントは、AIで取り組む戦略的事業領域として、ゲーム、ロボット、ヘルスケアの3つを挙げています。

 テンセントが出資するWeDoctorでは、ビデオチャットを利用したオンライン診療サービス(Miying)を提供しており、中国全土に広がる病院を結び、ガンの早期発見に取り組んでいます。

 

アイフライテック(Iflytek)

 アイフライテックは、音声認識と認識した音声を文章にする技術に強みを持ち、これに自動翻訳の機能を加えた製品で世界進出を目指しています。

 アイフライテックが開発した翻訳機は、中国語を含む34の言語で発せられた音声を瞬時に翻訳するだけでなく、中国の4つの方言も識別可能としています。さらに、翻訳機に内蔵されているカメラで紙に書かれた外国語を撮影すると、母国語に翻訳してくれる機能も備えているのです。

 また、アイフライテックの音声電子カルテは、医師がコンピュータに音声で指示を出すだけでカルテ作成を可能としています。さらに、画像認識技術は、レントゲンやCTで撮影した画像のなかから、通常の医師であれば見逃してしまいそうな小さな病変も見つけ出すことが可能なのです。

 

センスタイム(SenseTime)

 センスタイム社は、世界に先駆けてディープラーニング技術を用い、顔認識技術で人間を超える性能を実現しました。​​

 画像認識技術は、幅広い分野で活躍が期待され、華為技術(ファーウェイ)や北京小米科技(小米、シャオミ)などのスマートフォンにその画像認識技術が生かされているほか、身分証明書の写真と同一人物かを判定する技術にも使われています。自撮りアプリの「SNOW」も同社の顔認識機能が用いられており、エヌビディアやクアルコムと提携し、AIチップの開発を加速させようとしています。

 上場はまだしていませんが、今後新規公開される可能性が高いので注目しておきましょう。

 

まとめ

 以上より、AI関連銘柄に投資する際には、日本株ではなくアメリカと中国株にフォーカスしたほうがいいでしょう。特に、GAFAとBATISが今後市場の市場シェアのほとんどを握っていくと言っても過言ではありませんので、上記銘柄が大きく値下がりしたタイミングでの投資を検討してみましょう。

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