暴落時に底値を予測 BPS(1株あたり純資産)とは


 今回は、過去の経験則より大暴落時の底値予測に役立つBPSによる底値予測法を紹介したいと思います。

 BPSとは

 BPSとは、1株あたり純資産のことを言います。企業分析をするにあたってBPSは会社の安定性を判断する際に用いられ、BPSの数値が高ければ高いほど安定性の高い企業と評価することができ、反対にBPSの数値が低いほど安定性を欠く企業と見ることもできます。

 

BPSの計算方法

 BPSは、純資産を発行株数で割ることで求めることが可能であり、以下の式から求められます。

 BPS(1株辺り純資産)= 純資産 ÷ 発行済株式総数

 また、BPSはPBRと株価からも求めることができ、計算式は以下の通りになります。

BPS = 株価 ÷ PBR(株価純資産倍率)

 つまり、BPSはPBRが1倍の時の理論価格を意味するのです。一般的に用いられるのはこの式であり、PBRが1倍を上回るとBPSより割高と判断され、1倍を下回るとBPSと比較して割安と判断することができます。

 

暴落時の底値の目安とすることができる

  株式市場が暴落した際の底値の目度としてBPSは意識されるラインとなる場合があります。近年ではチャイナショックや米中貿易戦争で暴落した際、このBPSのラインで日経平均は下げ止まりました。

株価が大暴落し、テクニカル分析がきかないような相場環境になってしまった場合、積極的に活用するようにしましょう。

 

BPSを確認するときの注意点

BPSだけでは割安かどうか正確に判断はできない

 株価が割高か割安かを判別する手法はいくつもあり、それらを総合して現状を判断します。

そのため、BPSやPBRのみで株価の割安度の判断をしてしまうと、信頼性に欠けるところがあり確率が下がってしまうので、必ずその他の指標と比較して総合的に割高なのか割安なのかを判断することが重要となりますので注意しておきましょう。

 

銘柄によっては常にBPSを下回っているものがある

 銘柄によっては、PBRが1倍を常に下回っているものがあります。その場合、BPSは底値の目度として機能しないので、ほかの指標を参考にするようにしましょう。

 

発行株数の変化に注意

 BPSは企業の安定性を測る指標ですが、高ければ良いというわけではありません。同じ純資産を持つ企業であっても発行株式数が10分の1の企業はBPSが10倍になるので、BPSが高いから安定しているというわけではないので注意が必要です。

 また、株式の分割、併合でも株数の増減が発生しますので、その場合大きくBPSの値が変化する場合があります。

 

まとめ

 以上より、BPSを用いた底値予測法は、使われる局面は限られていますが、適切に活用することで確度を大幅に引き上げることが可能となります。特に、日経平均の底値予測については、過去何度も日経平均が大暴落するような事態となった時の底値として機能しているので、今回の米中貿易戦争の最悪の底値予測に積極的に取り入れていきましょう。

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