銘柄選別時のポイント。信用倍率を用いた投資戦略とは。

今回は、株式投資を検討する際にまず確認しなければならない信用倍率の正しい使い方について解説していきたいと思います。

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1.相場を形成しているのは誰なのか理解する

 株式相場を形成しているのは、機関投資家や海外投資家などの大口投資家であり、彼らがどういったタイミングで売り買いを仕掛けやすいのかを正確に理解することで適格銘柄に投資できる可能性が飛躍的に上昇します。

機関投資家などの大口投資家は、売りが急増していたり買いに全体が傾いているなど需給関係が一方に大きく偏っていた場合、それを潰す形で仕掛け的な売買を実行します。出る杭を打つことにより相場のボラティリティ(変動率)は最大となりますので、そうすることによって利益を得ているのです。

これは、個別銘柄でも同様であり、それを見極めるのに重要となってくるのが信用取引の需給関係を見極めることにあります。

2.信用取引とは

信用取引とは、証券会社に預けている現金もしくは有価証券の一定割合を担保に最大約3倍まで新規資金なしに売買を可能とする取引のことを指します。これには、売買してから無期限で保有できる「一般信用取引」と半年後に反対売買しなければならない「制度信用取引」の2種類あります。

信用取引は、あくまで証券会社に自己資金を担保として株券を売買しているので、自己資本以上の取引を可能とする反面、投資に失敗してしまうと追証であったり信じられないほどの損失に繋がる可能性があるのです。

4.銘柄選別時はまず制度信用の信用倍率を確認。

 制度信用の信用倍率が重要視される理由は、機関投資家が売り仕掛けのターゲットにしているからです。制度信用取引は、無期限で持てる一般信用と異なり期日があるため、株価が少し上げると損失を回避するためすぐに売り注文を発注します。

つまり、かしらの悪材料が出ると制度信用を利用している投資家は損失覚悟で売却注文を出すのです。この特性を利用し、機関投資家は売り仕掛けを行い、ストップロスを巻き込みながら株価を大きく下落させます

過去の経験則から言うと、この需給が悪化している銘柄に投資した場合の勝率は非常に低いので、銘柄選別時にはまず初めにこの需給関係を正確に把握しておかなければならないのです。

そのため、制度信用の信用倍率が高い銘柄に投資する際には特に注意が必要なのです。銘柄選別時には、初めにこの信用倍率が低い銘柄を選択し、他のテクニカル・ファンダメンタルズ分析を駆使し投資すべきか総合的に判断するようにしましょう。

3.信用倍率とは

信用倍率とは、信用の買い残を売り残で割ることで求めることができます。

信用倍率の求め方

信用倍率 = 信用買い残 ÷ 信用売り残

これが1倍に近いほど需給関係は均衡して安定していると判断することができ、二桁に近づくにつれ需給は悪化し、将来的な売り圧力が増していることを意味します。逆に、1倍を大きく下回ると売りが優勢となるので将来的な買い戻しが入る可能性があるのです。

 

4.銘柄選別時はまず制度信用の信用倍率を確認。

 制度信用の信用倍率が重要視される理由は、機関投資家が売り仕掛けのターゲットにしているからです。制度信用取引は、無期限で持てる一般信用と異なり期日があるため、株価が少し上げると損失を回避するためすぐに売り注文を発注します。

つまり、かしらの悪材料が出ると制度信用を利用している投資家は損失覚悟で売却注文を出すのです。この特性を利用し、機関投資家は売り仕掛けを行い、ストップロスを巻き込みながら株価を大きく下落させます

そのため、制度信用の信用倍率が高い銘柄に投資する際には特に注意が必要なのです。銘柄選別時には、初めにこの信用倍率が低い銘柄を選択し、他のテクニカル・ファンダメンタルズ分析を駆使し投資すべきか総合的に判断するようにしましょう。

5.信用倍率1倍未満は株価上昇の可能性が高い

 前述までは信用倍率が高すぎるケースの解説をしましたが、逆に信用倍率が1倍未満の場合、空売りが買いよりも多い状況であるため、将来的にその買い戻しを期待することができます。

ヒストリカルより、いつから売り残が急増したのかを確認し、どのタイミングで買い戻しが入るのかを分析することで想定以上の利益を期待することができるのです。

6.信用倍率に着目した投資テクニック

前述にあるように、信用倍率は投資をする際の判断基準として非常に重要な役割を果たしますが、この特性を応用することで投資戦略として用いることができます。重要となるのが以下の3点です。

銘柄選別時のポイント

信用倍率が1倍未満

・貸株注意喚起

・高値から半年近く経過

 信用倍率が1倍未満の銘柄ならば、将来的に空売りの買い戻しが期待することができ、さらに高値から半年経過した銘柄ならば期日が近くなってくるのでその可能性は非常に高くなります。ここでポイントとなるのが、株注意喚起銘柄を選別する点にあります。

 貸株注意喚起とは、空売りをする投資家は日証金から株を借りて空売りをしますが、この日証金にある株は有限なので、在庫がなくなるとそれを市場にアナウンスします。これを貸株注意喚起と言います。

貸株注意喚起銘柄には、「空売りするための玉が少ないのでさらに売り込まれる可能性が低い」ことと、「在庫が少なくなっているので品貸料(追加コスト)が発生している可能性がある」という特徴があります。

品貸料は、空売りをしている方が買っている方に払わあければいけないので、長期で発生するとそれだけコストが増大するのです。

 しかし、品貸料が発生している銘柄を選別するには時間と労力が必要となりますので、貸株注意喚起銘柄を探したほうが時間を無駄にすることはないのです。

以上の3点を踏まえ銘柄を選別することで、需給の改善を狙った投資戦略を展開することが可能となるのです。

まとめ

以上より、信用倍率は適格銘柄選別時にとても重要な指標であり、まず最初に確認する必要があります。特に、信用倍率が高すぎると他の指標が売られ過ぎを示していてもさらにそこから株価が下落してしまうリスクがありますので、必ず倍率が低い銘柄を選択するように心掛けましょう。