アンリツ (6754) 2020年2Q 決算まとめ

 通信用計測器メーカーは、(米)キーサイト・テクノロジーズ、(独)ローデ・シュワルツ、(日)アンリツの三社で世界シェアをほぼ独占しており、アンリツは世界シェア12%。携帯電話や基地局に関連する事業を展開している。 5Gは、大容量高速伝送、受信だけでなく送信の高速化、同時多接続、低遅延という重要な特徴を持っており、用途もスマートフォン、タブレットに止まらず、自動車、機械・ロボット、医療など広義のIoTに拡大する可能性があります。

業績予測

通期業績(単位:百万円)

 今期予想は、売上高が前年比2.3%増の1020億円、売上高営業利益率は前年11.3%→9.8%に悪化するとしています。

決算期 売上高 営業益 経常益 純利益 EPS 利益率
2016.03 95,532 -3.3% 5,897 -45.8% 5,434 -53.1% 3,760 -52.1% 27.4 6.2%
2017.03 87,638 -8.3% 4,234 -28.2% 3,628 -33.2% 2,698 -28.2% 19.6 4.8%
2018.03 85,967 -1.9% 4,912 16.0% 4,602 26.8% 2,880 6.7% 21 5.7%
2019.03 99,659 15.9% 11,246 128.9% 11,362 146.9% 8,956 211.0% 65.2 11.3%
予想 102,000 2.3% 10,000 -11.1% 10,000 -12.0% 7,500 -16.3% 54.6 9.8%

 

四半期業績(単位:百万円)

 今期第2四半期決算では、売上高が前年同期比13.7%増の265億72百万円に拡大し、売上高営業利益率は前年同期7.9%→14.8%に改善しました。

2019.03 売上高 営業益 経常益 純利益 EPS 利益率
1Q 20,964 7.9% 1,630 黒転 1,752 黒転 1,690 黒転 12.3 7.8%
2Q 23,371 9.9% 1,852 152.0% 1,926 200.5% 1,435 245.8% 10.4 7.9%
3Q 26,785 24.2% 4,234 102.3% 4,172 93.1% 3,132 146.4% 22.8 15.8%
4Q 28,539 20.4% 3,530 57.2% 3,512 78.8% 2,699 90.6% 19.6 12.4%
2020.03 売上高 営業益 経常益 純利益 EPS 利益率
1Q 23,236 10.8% 2,695 65.3% 2,531 44.5% 1,790 5.9% 12.9 11.6%
2Q 26,572 13.7% 3,937 112.6% 3,840 99.4% 2,880 100.7% 21.0 14.8%


セグメント情報

①計測事業

 通信事業者、関連機器メーカー、保守工事業者などへ納入する、多機種にわたる通信用及び汎用計測器、測定システム、サービス・アシュアランスの開発、製造、販売を行っています。

②PQA事業

 高精度かつ高速の各種自動重量選別機、自動電子計量機、異物検出機などの食品・医薬品・化粧品産業向けの生産管理・品質保証システム等の開発、製造、販売を行っています。

③その他事業

 情報通信事業、デバイス事業、物流、厚生サービス、不動産賃貸等から構成されています。

 

売上構成(2019.03)

 アンリツの事業内容は、計測、PQA、その他の3つに分類され、売上高の内68%が計測事業で構成されている。計測事業は、モバイル市場(5G,LTE)、ネットワーク・インフラ市場(有線・無線NW)、エレクトロニクス市場(電⼦部品、無線設備)に分類されます。

事業別業績推移(単位:百万円)

 第2四半期決算では、計測事業は5Gチップセット及び携帯端末の開発需要が順調に推移し、前年同期比21.0%増となりました。PQA事業が1.1%増、その他事業が1.9%増となりました。

2019.03 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
計測 14,388 10.3% 14,767 10.8% 19,446 41.6% 19,565 36.7% 68,168 25.2%
PQA 4,898 4.7% 6,541 8.5% 5,176 -4.0% 6,457 0.2% 23,074 2.3%
その他 1,676 -1.2% 2,061 8.1% 2,162 -11.3% 2,515 -14.5% 8,416 -6.3%
2020.03 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
計測 17,315 20.3% 17,861 21.0%         35,176 20.7%
PQA 4,088 -16.5% 6,610 1.1%         10,698 -6.5%
その他 1,832 9.3% 2,100 1.9%         3,932 5.2%

 

地域別売上構成(2019.03)

 アジア他地域の売上高が29%であることから、米中貿易戦争の影響には注目が集まります。EMEAは、欧州・中近東・アフリカ地域から構成されています。

地域別業績推移(単位:百万円)

 第2四半期決算では、日本が前年同期比18.2%増、米州が9.5%増、アジア他が23.2%増と拡大する一方、EMEAが2.2%減となりました。

2019.03 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
日 本 5,685 3.5% 8,115 4.3% 7,667 20.9% 10,715 5.7% 32,182 8.2%
米 州 6,046 38.0% 4,893 21.6% 8,095 59.2% 7,393 88.4% 26,427 51.7%
E M E A 2,920 -6.6% 2,732 -13.8% 3,448 6.3% 3,069 -5.3% 12,169 -4.8%
アジア他 6,312 -1.7% 7,269 15.5% 7,573 9.8% 7,360 14.9% 28,514 9.6%
2020.03 1Q 2Q 3Q 4Q 合計
日 本 6,442 13.3% 9,589 18.2%         16,031 16.2%
米 州 5,950 -1.6% 5,356 9.5%         11,306 3.4%
E M E A 2,722 -6.8% 2,673 -2.2%         5,395 -4.5%
アジア他 8,120 28.6% 8,953 23.2%         17,073 25.7%

 

会社サイト

https://www.anritsu.com/ja-JP/

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です