コロナショック 株価暴落時に確認すべき5つのポイントとは

今回は、株価暴落時に底値を予測する上で確認しなければいけないポイントについて解説していきたいと思います。

 

PERから理論価格を導き出し底値を予測

 日経平均の理論価格はEPS(一株利益)とPER(株価収益率)から求めることができ以下の計算式から算出することができます。

 

日経平均理論価格=EPS(一株利益)×PER(株価収益率)

 

 ここでポイントとなるのが、現在の日経平均がPER何倍の範囲内で推移しているのかであり、20年3月18日時点でのPERは10.68倍、EPSは1,566.16円であることからPERは10~11倍の範囲での日経平均の想定レンジは15,661.6~17227.8円となるのです。

日付 日経平均 PER EPS PER10倍 PER11倍
2020/3/18 16,726.55 10.68 1,566.16 15661.6 17227.76

 

 仮に、PER10倍を割れこむと次の想定レンジはPER=9~10倍のレンジに切り下がってしまうので、PER10倍時の日経平均15,661.6円を底値の目途に設定することができるのです。

 

チャイナ・ショック時はBPS(一株当たり純資産)で日経平均は上昇に転じる

 BPSとは、PBR(株価純資産倍率)が1倍の時の株価を示し、日経平均の底値を予測する上で重要な指標の一つといえます。

 

BPS = 日経平均株価 ÷ PBR

 

過去、チャイナショックやブレクジットの時のような株価が暴落した際は、BPSが1倍の水準で底を打ち株価は反転上昇に転じています。

 

原油先物価格の推移・サウジ系ファンドの動向に注目

 原油先物価格は、コロナショックの影響による世界的な景気減速懸念、主要産油国の協調減産崩壊によるサウジアラビアの大幅な増産により原油価格はチャイナ・ショック時の安値26ドル台を下回り一時25ドル台まで大幅に下落しました。



 ここで重要となってくるのが、サウジ系ファンドの動向であり、原油価格が下落し損失が生じた場合、これら投資ファンドはその損失補填のため保有株式を売却するのです。

 そのため、原油価格が反転上昇するタイミングが相場の転換点となる可能性があるので注目しておく必要があります。

 

米金利低下に伴う投機的な米国債買いに注意

 FRBは20年3月15日に1.0%の追加利下げを決定し4年ぶりのゼロ金利政策に踏み切りました。

 ここで重要となるのが、金利低下局面において債券価格は上昇に転じるため、リスク資産である株が売られ安全資産である米国債が投機的に買われているという点にあります。

 コロナショックにより、あるファンドは25%に設定していた株式比率をすべて解消し米国債の買いにシフトしていることが日経新聞により明らかになりました。

 そのため、金利が底を売ったタイミングで債券価格の上昇が一服する可能性があり、リスク資産である株への資金回帰を想定することができるのです。




 また、米国債の債券単価上昇に伴いドルの需要が高まっているため、通常日米金利差が縮小すると買われるはずの円が売られ、リスクオフであるにも関わらず極度な円高となっていないのです。

 

機関投資家は信用倍率のを見て売り仕掛ける

 信用倍率とは、信用取引の売りに対して買いが何倍なのかを表しており、これが高いほど暴落時に追証回避のロスカットが生じやすくなるのです。

 特に注目しなければいけないのが、半年期日の制度信用の信用倍率であり、機関投資家やネットのプラグラムによる高速取引は、これの強制ロスカットをターゲットとして売りを仕掛けるのです。

 また、日経平均の下落を予測する上では、東証1部・2部の合計の信用残高に注目する必要があります。これは、「日本取引所グループの信用取引残高等」で確認することができます。

 過去の推移から、どこまで買い残が減少したら株価が反転上昇しているのかを見極めることで今後の底値予測の精度を高めることができるのです。