本当は教えたくない ボリンジャーバンドの超実践テクニック

今回は、テクニカル分析で使われているボリンジャーバンドの使い方と応用。具体的な戦略を解説していきたいと思います。

1.ボリンジャーバンドとは

 ボリンジャーとは、米国人投資家のジョン・ボリンジャーが発案したテクニカル分析であり、この指標が優れているのは変動予想範囲をチャート上で感覚的に読み取れる点にあり、テクニカル分析に必須の指標となっています。

ボリンジャーバンドの単位はシグマ(σ)で表され、一般的に基準線から±1σ~±2σで表されます。この範囲内で株価の値動きが収まる可能性は以下のとおりであり、±2σで収まる可能性は95.4%と非常に高くなります。

ボリンジャーバンドの±1σの範囲内に収まる確率 ⇒ 約68.3%
ボリンジャーバンドの±2σの範囲内に収まる確率 ⇒ 約95.4%

2.設定範囲が±2σだけでは実戦で使えない

 一般的に、株価が-2σまで下がったら買い、+2σまで上昇したら売るという解説をしている方が多いのですが、現実にはこの±2σを超えることは頻繁にあり、これだけでは実戦に用いることはできないのです。そこで重要となってくるのが、±3σのラインを設定で追加することです。デフォルトの状態ではこの±3σのラインが入っていない場合があるので、設定で追加登録する必要があります。

この±3σの範囲内で収まる可能性は、99.7%と±2σ(95.4%)よりも高確率で収まる可能性が高いため、これを追加することで初めて実戦で用いることが可能となるのです。

ボリンジャーバンドの±3σの範囲内に収まる確率 ⇒ 約99.7%

3.ボリンジャーバンドの実戦テクニック大公開

では、実際にどのようにボリンジャーバンドを使うのか、過去の成功例を上げて解説していきたいと思います。

スクエアーエニックスの株価チャートを例に挙げると、この時の状況は、株価がボックス圏で推移しており、5月の安値の際に株価が-3σまで下落したので仕込んでいました。その後6月にドラゴンクエストウォークが正式発表されたことにより株価は急伸しいったんばいきゃくし、+3σまで上昇したのでここでいったん売却しました。その後株価が元の水準まで下落した際に、2020年3月にFF7リメイクが発売される予定だったので、この株が再度上昇に転じると予測して-2σのラインで再度エントリーしています。その後は予測通り株価は上昇に転じ、現在は6000円近くまで株価は上昇しています。

このように、ボリンジャーバンドを用いることで感覚的に売買をすることができるので、テクニカル分析をする際には必ず使うようにして下さい。

4、ボリンジャーバンドが機能しない場合

 しかし、ここで注意していただきたいのが、ボリンジャーバンドが有効なのは、ボックス圏で株価が推移しているときです。株価が高悪材料により上下に大きく振れてしまった場合は、機能しなくなる場合があるので注意が必要となります。

 先ほどのスクエニの株価で見てみると、8月に好決算が発表されたことにより株価は急騰し、高値圏でもみ合う展開が続いています。また、20年3月のコロナショック時には-3σに張り付きながら株価は急落しており、こういう局面ではボリンジャーバンドだけでは不十分となるので、他のテクニカル指標と組み合わせることで予測精度を高める必要があります。